マイナンバー制度の概要

マイナンバー(社会保障・税番号)制度は、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されるもので、行政の効率化、国民の利便性向上、公平・公正な社会を実現するための社会基盤です。

マイナンバーの利用範囲

マイナンバーは年金・雇用保険・医療保険の手続、生活保護・児童手当その他福祉の給付、確定申告などの税の手続などで、申請書等に記載を求められます。

雇用保険や社会保険、税に関する届け出に記載が必要になり、事業者は従業員のマイナンバーの法律に沿った取得、管理が必要です。

マイナンバーは多くの個人情報に結びつく重要な番号であるため、厳重な管理、取り扱いが求められます。

 

マイナンバーの利用範囲の画像
マイナンバーの利用範囲は社会保険・税・災害分野に限定
マイナンバー利用の流れ
資料:マイナンバー 社会保障・税番号制度 民間事業者の対応(内閣府)

資料:マイナンバー 社会保障・税番号制度 民間事業者の対応(内閣府)

マイナンバーの通知方法

平成27年10月以降、外国人を含む住民票を有する方に12桁のマイナンバーが記載された通知カードが送付されています。(通知カードは令和2年5月25日に廃止され、マイナンバーの通知は個人番号通知書を送付する方法により行われています。)

そして、希望者は市役所に申請することで、平成28年1月よりマイナンバーカードを取得することができます。

マイナンバーカードはマイナンバーの確認以外に免許証と同様に身分証明書として利用できますが、通知カードや個人番号通知書は身分証明書として利用できません。

また、マイナンバーカードには、税や年金、預金残高などプライバシー性の高い個人情報は入っておらず、カード本体やICチップにも偽造防止のための様々なセキュリティ対策が施されています。

 

 

通知カード

マイナンバーカード

 取得方法   

平成2710月から順次、住民票を有する全ての方に簡易書留で届きます(令和2年5月25日に新規発行終了)

申請することで平成281月以降に市役所で受け取れます

  様式   

紙製のカード

ICカード

 記載事項 

氏名・住所・生年月日・性別・個人番号

氏名・住所・生年月日・性別・顔写真・個人番号

 交付手数料    

初回交付手数料無料

初回交付手数料無料

 利用方法    

個人番号の提示

 

本人確認、公的個人認証の利用、個人番号の提示、マイナポータルの利用

 

【通知カード、個人番号通知書、マイナンバーカードを紛失した場合】

再発行は下記の手順でおこないます。「マイナンバーカードを紛失した場合の対応」もご参照ください。

 

①警察に遺失届を出し、受領番号を取得します。

②コールセンターに一時利用停止を依頼します。(マイナンバーカードの紛失時)

③市町村へ再交付申請の手続きをおこないます。

 

資料「マイナンバーカードを紛失した場合の対応」(内閣府)

http://www.cao.go.jp/bangouseido/pdf/security06.pdf

マイナンバーカードの利用範囲

マイナンバーカードの利用範囲は徐々に拡大していく見通しです。

令和3年10月20日からはマイナンバーカードを健康保険証として利用が本格的に開始しています。

健康保険証としての利用についてはこちらをご覧ください。

マイナンバーカードの利用範囲の画像
マイナンバーカードの利用範囲

事業者の対応

従業員からのマイナンバー取得の準備として、どのような手続きにマイナンバーが利用されるのか、情報をどのように管理していくのかを把握し、決めておくことが必要です。下記の手順を参考にしながら対応してください。

 

(1)個人番号関係事務の洗い出し

マイナンバーは利用目的と取得の制限がされているため、今後、扱うマイナンバー関連事務を洗い出します。

 

(2)事務取扱担当者の選任、責任者、責任部署の設置

(1)の事務をおこなう担当者とその管理、監督をおこなう責任者を明確にします。

 

(3)本人確認方法、マイナンバーの保存方法の決定

マイナンバーは厳格な本人確認が求められているため、法令に従った方法で確認をおこなってください。

保管方法としては、自社で書類やパソコン等での保管、クラウドサービスの利用、税理士や社会保険労務士に保管を依頼するといった方法がありますので、企業の方針に基づき決定してください。

 

(4)安全管理措置の整備

安全管理のため、以下の4つの措置をおこなうことが義務となっています。

①組織的安全管理措置

組織体制の整備、取扱規程等に基づく運用、取扱状況を確認する手段の整備、情報漏えい等事案に対応する体制の整備、取扱状況の把握及び安全管理措置の見直し

②人的安全管理措置

事務取扱担当者の監督・教育

③物理的安全管理措置

特定個人情報等を取り扱う区域の管理、機器及び電子媒体等の盗難等の防止、電子媒体等を持ち出す場合の漏えい等の防止、個人番号の削除、機器及び電子媒体等の廃止

④技術的安全管理措置

アクセス制御、アクセス者の識別と認証、外部からの不正アクセス等の防止、情報漏えい等の防止

 

(5)規定や書面の整備

従業員への制度周知のための説明書類や管理に関する規定を作成します。

特定個人情報保護委員会による「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」では特定個人情報等に関する事務の流れを整理し、具体的な取り扱いを定めた取扱規程等の策定をしなければいけないとしています。
中小規模事業者(従業員数100人以下)は取扱規定の策定義務はありませんが、特定個人情報等の取り扱い等を明確化しておくことが求められます。

※特定個人情報:マイナンバーをその内容に含む個人情報

 

当事務所では特定個人情報取扱基本方針、規程の雛形をご提供しておりますので、必要なお客様はご連絡願います。

従業員からのマイナンバーの取得

従業員からマイナンバーを取得する際にはまず、利用目的を明示することが必要です。

(例)「源泉徴収票作成事務、健康保険・厚生年金保険加入等事務」

 

そして、番号の確認においては、なりすましを防止するために身元確認を合わせておこなう必要があり、下記の①~③のいずれかのもので確認することが求められます。

すでに雇用関係にあるなど本人であることが間違いない場合は身元確認を省略することも認められます。

 

① マイナンバーカード(番号確認と身元確認)
② 通知カード(番号確認)と運転免許証など(身元確認)
③ 個人番号の記載された住民票の写しなど(番号確認)と運転免許証など(身元確認)

 

従業員の扶養親族のマイナンバーを確認する際にも、委託者(事業者)がどのような事務で利用するのか、利用目的を明示することが必要です。

 

また、従業員だけでなく、役員、パート、アルバイト、謝金の支払いがある社外の方からもマイナンバーを取得する必要があるため、その際の本人確認の方法をあらかじめ検討し、準備しておく必要があります。

マイナンバー記載書類

平成28年1月からは税と雇用保険の届出に、平成29年1月からはけんぽ協会への届出に、平成30年3月からは年金機構への届出にマイナンバーの記載が必要になります。

マイナンバーを記載する主な手続き一覧
マイナンバーを記載する主な手続き一覧

《届出におけるマイナンバー記載に関してのポイント》

・安定所へ届出する書類にはマイナンバーを記載しますが、安定所からの返戻書類には

 マイナンバーは記載されません。

・雇用保険の手続き時にマイナンバーの記載欄の無い旧様式の届出用紙を利用する場合は、「個人番号登録・変更届出書」を添付してください。

・育児休業、介護休業給付の申請では、初回のみマイナンバーを記載します。

・年金機構への届出で基礎年金番号を記載する届出については、基礎年金番号の代わりにマイナンバーを記載することができます。マイナンバーを記載することで、その後の氏名や住所変更の届出が必要無くなります。

マイナンバーの廃棄

法律で限定的に明記された場合を除き、特定個人情報を保管してはならず、保存期間が経過した特定個人情報等を記載した書類、データは速やかに廃棄または削除する必要があります。

必要のない特定個人情報等を保管することは紛失や漏洩のリスクを抱えることにもなります。

雇用保険、社会保険関係の手続きによる返戻書類のほとんどのものにはマイナンバーは記載されないこととなっていますが、マイナンバーが記載されている書類については定められた保存期間後、速やかに破棄または削除の上、処理状況の把握のためにその記録を保存することが求められます。

書式ダウンロード

マイナンバーを取得する際に利用できる各種書類の雛形をダウンロードできます。

内容をご確認の上、ご利用下さい。

従業員へのマイナンバー制度の説明.doc
Microsoft Word 31.5 KB
個人番号報告書.docx
Microsoft Word 28.8 KB
第3号被保険者の届出の委任状.docx
Microsoft Word 12.3 KB
外部講師等へのマイナンバー提出依頼書.doc
Microsoft Word 34.5 KB
マイナンバー管理簿.docx
Microsoft Word 15.1 KB

従業員へマイナンバー制度の概要、個人番号の報告の依頼について説明するための書類です。


従業員からマイナンバーの報告を受ける際に利用する書類です。


従業員の配偶者(国民年金の第3号被保険者)の届出の際に利用する委任状です。

 

 

外部講師にセミナーを依頼し、謝金を支払う場合などにマイナンバーの提供を依頼するための書類です。



マイナンバーの取扱い状況を記録するための管理簿です。


ご利用にあたっては《免責事項》をお読みください。

ダウンロードした時点で免責事項に同意したものとみなします。

通知カードを紛失した場合

1.「個人番号カード交付申請書」を持っている場合

お手元に「個人番号カード交付申請書」(通知カードを切り離した残り部分)がある場合は、通常の方法と同様に「マイナンバーカード」の交付申請が可能です。
 ただし、住所・氏名等の記載事項に変更があった場合には、元の交付申請書は使えなくなりますのでご注意ください。

2.「個人番号カード交付申請書」を持っていない場合

お住まいの市区町村窓口にて新しい交付申請書の交付を受け、窓口担当者の案内にしたがって申請手続をしてください。

自身のマイナンバーがわかる場合は、マイナンバーカード総合サイト(地方公共団体情報システム機構ホームページ)  からダウンロードできる「手書用の交付申請書」を使用して、郵送で交付申請することもできます。

◎自宅以外で紛失された場合は、警察署や交番にて「遺失物届」の届け出をしてください。

マイナンバーのセキュリティ対策

マイナンバーカードには、以下のようなセキュリティ対策が施されています。

  • ICチップには、税や年金などのプライバシー性の高い個人情報は記録されません。
  • ICチップの情報を確認するには、設定した暗証番号が必要です。また、暗証番号を一定回数間違えると使えなくなります。
  • マイナンバーカードを紛失した場合は、24時間365日、コールセンターで対応します。
  • ICチップの情報を不正に読み出そうとすると壊れてしまうなど、様々な安全

   対策が施されています。

お問い合わせ

マイナンバー制度におけるご質問やご相談などございましたら、お電話もしくはご相談フォームからお気軽にご連絡ください。

 

お電話でのお問合せはこちら  ☎ 0766-25-3781

               お問合せ・ご相談フォームへ

                                        受付時間 : 8:30~17:30(土日・祝日は除く)