休業手当や解雇予告手当の計算に!平均賃金の計算方法まとめ

平均賃金とは、解雇予告手当や休業手当等の算定の基準となるものです。

例えば新型コロナウイルスが疑われる従業員を事業所として念のために休ませた場合には休業手当の支払いが必要になり、平均賃金の計算が必要になります。

(新型コロナウイルスに感染した場合は、都道府県知事が行う就業制限により、使用者の責めに帰すべき休業でないため、休業手当の支払いは必要ありません。)

この平均賃金の計算方法について、ご説明いたします。

平均賃金の計算が必要になるのはこんな時

平均値賃金は下記の手当等を支払う場合に計算が必要になります。

 

① 労働者を解雇する場合の予告に代わる解雇予告手当(算定事由発生日:労働者に解雇の通告をした日)

 

② 使用者の都合により休業させる場合に支払う休業手当(算定事由発生日:休業日(2日以上の期間にわたる場合は、その最初の日))

 

③ 年次有給休暇を取得した日について平均賃金で支払う場合の賃金(算定事由発生日:年休取得日(2日以上の期間にわたる場合は、その最初の日))

※平年次有給休暇取得日の賃金は均賃金以外でも構いません。就業規則等に従ってください。

 

④ 労働者が業務上負傷し、もしくは疾病にかかり、または死亡した場合の災害補償等(算定事由発生日:事故の起きた日または、診断によって疾病が確定した日減給の制裁の場合は、制裁の意思表示が相手に到達した日)

 

平均賃金の計算方法

平均賃金とは、「平均賃金をを算定すべき事由の発生した日の前日から遡る3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額」です。

 

例を挙げますと、給与が20日締め、各月の給与支払い額が20万円の方に4/10~4/14まで5日間分の休業手当の支払いのため、平均賃金の計算が必要になった場合、下記の計算式となります。計算期間は、直近の賃金締め切り日から前3か月分で計算することと、日数は暦日数です。

休業手当は、この平均賃金に100分の60以上をかけた金額となります。

 

       
  平均賃金 = 事由発生日以前3カ月間の賃金総額  
  事由発生日以前3カ月間の総日数  
       
         = 20万円 + 20万円 + 20万円  
  31日 + 31日 + 28日  
       
         = 6666円(銭未満切り捨て)  
   
       

 

平均賃金額の最低保障

平均賃金は基本的には前述の計算方法で計算することになりますが、日給、時間給、出来高払の場合や欠勤により、平均賃金が低額になる場合があります。

そのような場合に、下記の計算方法で最低保障額を計算し、金額が大きい方を採用します。日数は暦日数でなく、実際に労働した日数です。

 

           
  最低保障額 = 3か月間の賃金の総額 × 60  
  3か月間の実労働日数 100  
           

 

算定期間から控除される日数及び賃金額

平均賃金の計算において、従業員本人の都合によらない休業期間等がある場合、賃金額が低くなり、平均賃金も低くなってしまう場合があります。そこで、次の期間がある場合は、その日数及び賃金額を平均賃金の算定期間及び賃金の総額から控除することとなります。


① 業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
② 産前産後の休業期間
③ 使用者の責めに帰すべき事由による休業期間
④ 育児休業及び介護休業期間
⑤ 試みの使用期間(試用期間)

雇入から3カ月経過していない場合の平均賃金の計算方法

雇入から3カ月経過していない場合は、雇入れ後の期間の日数と賃金で平均賃金を計算します。