新型コロナウイルスの影響に伴う雇用調整助成金の特例措置

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。

新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、雇用調整助成金の特例措置が設けられ、対象が拡大されています。

 

【特例措置の内容】

【特例の対象となる事業主】

 

休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用します。


① 休業等計画届の事後提出を可能とします。
通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年5月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとします。


② 生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮します。
最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。


③ 最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とします。
通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。


④ 事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。
令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、
生産指標を令和元年12月の指標と比較し、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認します。(※12月分の生産指標は必要となります)

【新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「経済上の理由」とは】

以下のような経営環境の悪化については経済上の理由に当たり、それによって事業活動が縮小して休業等を行った場合は助成対象となります。


(経済上の理由例)
・取引先が新型肺炎の影響を受けて事業活動を縮小した結果、受注量が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・国や自治体等からの市民活動の自粛要請の影響により、外出等が自粛され客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・風評被害により観光客の予約のキャンセルが相次ぎ、これに伴い客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。

助成内容と受給できる金額

雇用調整助成金

 

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例対象を拡大します(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000602567.pdf

 

雇用調整助成金(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

指定地域における新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大案(令和2年3月4日時点)

令和2年3月4日時点で、緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域については特例措置を更に拡大する案が示されています。

現時点で指定地域は北海道のみであり、3月中旬より特例措置の拡大が実施される予定となっています。最新の情報をご確認ください

 

新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大

 

新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000603338.pdf

 

新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ雇用調整助成金の特例を追加実施します(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000604077.pdf

 

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金の特例措置に関するQ&A(令和2年3月4日版)(厚生労働省)

https://www.mhlw.go.jp/content/000603779.pdf